Report 2
眼を開けた瞬間、僕は気付いた。
「あ、これは夢だな」
と。
そんなわけで、中世の街並みにはおよそ似つかわしくない褌一丁で見知らぬ場所に放り出された僕は、とりあえず街を闊歩してみた。
「あんた、ほんとに何やってんのよ?」
彼女はチャチャ。
というらしい。
職業は魔法使い、茶色いとんがりハットに赤いワンピースを着ている。
んー、大丈夫か?これ。
どこぞのアニメキャラと丸被りファッションなのだが…?
「ちょっと!聞いてんの?」
「ああ、悪い。ちょっと考え事してた」
「で?何があったらそんなことになるのよ?」
「しらん」
「は!?」
「いやだから、しらん」
僕はすでに開き直っているので、すべてを話した。
「あんた…ついに頭がおかしくなったのね…?」
まあこんなもんだ。
「わかったわ。とりあえず今のあんたは、あたしの知ってるあんたじゃないってことね」
「そういうことになるな。ところでチャチャ、君は僕のパーティメンバーとかなのか?」
「はぁ!?」と言う驚きを飲み込んだチャチャは色々と教えてくれた。
今この世界では、魔王が復活しモンスターが溢れていて、たくさんの冒険者が倒されていること。その中には各国からの勇者候補もいたが、全滅していること。僕はその最後の生き残りであること。そしてー
「あんたは『堕落の勇者』って言われてて、基本的には喰っちゃ寝してるだけの落ちこぼれ。討伐する魔物もダークラビットって小物で、自分が食べる量しか狩らないからパーティも必要ない」
おぉ…なかなかのクズ野郎じゃないですか…
でもまあ、なんか冒険の匂い?普段の地味な作業より断然楽しそうだ!
「色々教えてくれてありがとう。ついでにもう一つ知りたいんだけどさ、魔王ってどこに行けば倒せるの?」
と、教えてもらった通りに進んではみたが…
「こっちであってるのか?地図書いてもらったけど、これじゃわかんないよなぁ…」
僕は最低限の装備を揃えて、チャチャに描いてもらった地図を片手に街を出た。
渡された地図は3歳児の描いた絵を彷彿とさせる代物だった。とりあえず森には入ったけど…っと!ここで第一村人発見!!
「すいません。この森の向こう側へ行きたいんですが…」
「あ?」
と、ふてぶてしい返事をしたこちらの村人。
全身を鋼の鎧で固め、いかにも重戦士な身なりだ。
「おう!兄ちゃんじゃねぇか!生きてたんだな!」
「はい?」
さて、こちらの方は村人ではなく、重戦士マリンさんというらしい。いや、マリンって顔じゃねぇよ…アームスト○ング少佐だよ…
彼が言うことにはー
先日ダークラビットを狩に来た僕は、森の奥深くのところでお色気盗賊団にまんまとハニートラップを仕掛けられ、それはそれは綺麗に騙されていたという。
「あの盗賊団にやられれば、装備品は一つも残らねぇらしいからな。この森の中じゃ殺されたも同然だぜ」
「あはは…そうなんですね…」
突っ込むのもめんどくせぇ…
「お?でも兄ちゃん昨日と同じ剣じゃねぇか。珍しいな、あいつらにやられて武器が手元にあるなんて」
「え?そんなことわかるんですか?」
「あたぼうよ!こちとら武器マニアって二つ名まであるんだ!武器に関しちゃ、その辺の商人なんかよりよっぽど詳しいぜ?」
「そうなんですね!」
鑑定スキル的なことか?でもまあ、こっちに来た時から持ってたなこの剣…
ま、ラッキーだったってことで
「で?この森抜けてどうすんだ?先には洞窟しか無いぜ?」
「ああ、とりあえず魔王を倒しに行こうかと」
にしても驚いてたなぁ。そりゃたしかに貧相な装備かもしれないけど…でもまあ、森の抜け方教えてもらえたしよしとするか!
ということで洞窟前。
入り口から滲み出す冷気がこの先の危険を案じている…ような気がした。
「あなたもこの洞窟に入るんですか?」
声をかけて来たのは、いかにもインテリ系の美少年。眼鏡を外せばさながらドラ○エじゃねぇかってほど。
「てことは君もここに入るの?」
「ええ、この洞窟の先にあるアッソウ丘に行かねばならないのです」
「え?今なんて?」
「だから、この洞窟のー」
「あー、そこはいいや。何て丘だって?」
「アッソウ丘…ですが?」
「ふーん…」
センス…
「あ、僕か…」
「何か言いました?」
「いや!さ、そんなことより進もうぜ!」
「あ、ちょっと!!」
ガチャン。
僕は何かを確かに踏み抜いた。
僕は知っている。
長年ゲームをやっているのだから。
これは…
バタンッ!
おもむろに扉が閉まった。
そして…
「ボーガン…?」
「逃げろ!!」
何十本もの矢が一斉に僕らに向かって放たれた。
僕はこの美少年くんを庇うように走りながら、どうにか剣で矢を落とそうとするが、2波3波と連続に矢が放たれる。止まることを知らないかの如く。
「痛ってー痛ってー!なんだよこれ!夢じゃないのかよ!?」
「は!?あなたは何を言ってるんですか!?と、とにかく!あそこの岩陰でやり過ごしましょう!」
僕らが岩陰に身を隠すまでに、背中には何本もの矢が刺さっていた。
「よくこれだけ喰らって生きていられますね」
「まあ、一応は勇者だからな」
「あなたが?…プッ、ハハハハハ!!」
「何笑ってんだよ!?」
「だって、勇者が…勇者なのに…アハハハハ!」
それからというもの、魔物に襲われたり、毒のトラップを踏み抜いたり、下手な落石トラップや落とし穴トラップに引っかかりながらもようやく僕らは洞窟を抜けた。
「ここが…」
「アッソウ丘…」
「…」
洞窟を抜けた頃には陽は沈んであたりは真っ暗だった。僕らはそこで野営をし、朝を待った。
「勇者殿…」
「ん?どうした、改まって」
「この度は幾重にも重なる困難の中、私をお導きくださり、誠に感謝いたします。我が名はフェムル。賢者です。この御恩、一生忘れません」
「んー、まあ、細かいことは気にするなよ。旅は道連れってやつだ。それにトラップ踏み抜いたの僕だし」
「ところで、勇者殿は何用でこの洞窟を?」
「ん?あー、ちょっと魔王討伐にー」
フェムルと別れた僕は、アッソウ丘を越え、フカダ峡谷を目指した。
「さてと、とりあえずここまで来れたけど…この先はどう行けば…」
僕はこの時、全身から冷や汗が噴き出る感覚を覚えた。地図が…ない…
確かに尻ポケットに突っ込んでいたはずの地図がない…
すると後ろの方から
「にゃははは!」
というとてつもなく奇妙な笑い声がした。
が、ここは無視しておこう。この手の笑い方をするやつは大抵めんどくさい。
「にゃ?」
「うわっ!」
歩み出した瞬間、突如としてその顔が現れた。しかも猫耳ロリ…
「ねーねー、お兄さん。こんにゃ地図使ってどこ行くつもりにゃの?」
唯一の頼りである地図を、馬鹿にしながら目の前に突き出され、言いたいことはたくさんある、聞きたいこともたくさんある。
年端もいかない子供が何故こんなところにいるのか?ついさっきまで背後に居たはずなのに、なぜ僕の目の前に顔を出せたのか?なぜ僕の頭にしがみついているのか?しかし、しかしそれよりー
「猫耳ぃぃいいいい!」
「にゃぁぁぁあああ!?」
こっぴどく打たれました。
「急ににゃにするのさ!」
「いや、その、猫耳への好奇心に抗えず…夢の中だし、それぐらいはいいかな?って…はい、思いました」
そのあと小一時間は説教をくらい、地図については馬鹿にされ、ろくな装備をしてないと罵られ、挙げ句の果てには、ロリコンだのケモナーだのあらぬことまで言われる始末…ほんとに、なんなんだ…
「で、お兄さんの目的はわかった。でも、行かせられにゃいね」
「え、なんでだよ?」
「だって、お兄さんはこの世界にょことを知らにゃすぎる」
この猫耳ロリの言うことにゃ、
魔王と相対するには必要な装備がいくつかあって、その装備は『勇者』以外の役職を持つパーティメンバーが必要なのだという。
「聖霊の杖を持つ魔法使い、闘神の鎧を持つ戦士、原初の本を持つ賢者、身代わりのローブを持つシーフ、光の剣を持つ勇者。その5人が揃って初めて、魔王に立ち向かうための権利が与えられるんだにゃ」
「なるほど。じゃあ、僕には魔王に対抗するためのピースが揃ってないってことか。そもそも、僕の剣は錆び錆びのこの剣だけだし…」
「光の剣についてはボクもあんまり知らにゃいのにゃ…でも、他の装備に関してはアテがにゃくもにゃいにゃ」
「え、そうなのか?」
「にゃにせ、このボクこそが身代わりのローブを持つシーフにゃのだから!」
「おお!すごいじゃないか!猫耳のロリっ娘!」
「誰が猫耳ロリっ子にゃー!!!!!もう!せっかく為ににゃること教えてあげようと思ったのに」
「悪い悪い。で、その為になることって?」
「にゃひひぃ、お兄さんに魔王討伐の権利を授けましょう!」
猫耳ロリ娘は、誇らしげに懐から何かを取り出して、誇らしげにめいいっぱい高く掲げた。
僕の目線まで。
「これは?」
「ふふーん、魔王城の鍵!の、在り処だにゃ!」
「おお!でかしたぞ猫耳娘!!」
グリッ
僕はこの時、足先に激痛を感じていた。
足の小指の関節を、それもものすごく的確に踏みにじられたのだ。
「痛ったい!!!痛っったい!!」
「だから、誰が猫耳娘なんだにゃ、ボクにはちゃんとニャ前があるにゃ!」
僕はケンケンの要領で足を庇うことで精一杯だったが、それでは話が進まないので必死に堪えて聞いた。
「悪かったよ。で、お前の名前はなんなんだ?」
「ふっ、よくぞ聴いてくれた!!我こそは!ー」
「おい待て」
「にゃ、にゃんにゃのだ」
「嫌な予感がする。名前だけを教えてくれ」
「にゃ!?にゃん…だと…」
そう、あのフレーズはまずい。ここに来てあのロリっ子アークウィザードを丸パクリされては、いくら夢といえ都合が悪い…
猫耳娘はしばらく頭を抱えたが、案外素直に受け入れてくれた。
「わかったにゃ。ボクの名前はニャンニャンだニャ」
そっちかぁぁぁあああああ!!!!!
ニャンミンとか、メグニャンとかじゃなくそっちかぁぁぁあああ!!!
「ニャ、ニャンニャン…それはそうと、権利を与えるって言っても、僕はパーティメンバーとかいないぞ?」
「そのへんはボクに任せてくれにゃ!めぼしい人間は心当たりがあるにゃ!」
「そうか、じゃあ鍵は?」
「鍵も僕が取ってくるにゃ。場所がスイ洞窟って言う、アッソウ丘の向こうにある洞窟にゃのにゃ。どうせ、パーティメンバーを集めに戻らになくちゃいけないし、ちょうどいいにゃ!」
「そうか?なんか、何から何までありがとな」
「この戦争が終われば、きっと平和ににゃるにゃ…その為にゃら、尽力は惜しまにゃいのにゃ!」
僕はニャンニャンと別れたあと、言われた通りに周りの敵を倒してレベリング?しながら彼女の帰りを待った。
「そこそこ倒したな…あんまり強くなってる気がしないけど、まあ、こんなもんなのかな?剣の錆もちょっとは取れてきたかなぁ?」
ー貴様か…吾の縄張りを荒らす輩というのは…ー
「だ、誰だ!?」
ー吾は…って、おい。どこを向いている。おい!こっちだ!こっちだってば!!ー
「くっそぅ…身を隠しながらとは、卑怯だぞ!!」
ーえ!?いや、だからこっちだって!後ろ!後ろ!ー
声のまま後ろを振り向くと、大きな谷を挟んだ対岸に、それはそれは恐ろしいドラゴンの姿があった。
ーここは吾の縄張り。貴様のような人間風情が、剣を振るい、吾が家族を手にかけたこと…万死に値する!ー
「くっ…逃してくれそうにないな!」
ドラゴンは大きな漆黒の翼を広げ、暗雲の立ち込め始めた空に飛び上がった。
次第に暗くなる視界の中で、赤い球体が浮かび上がる。僕は直感的に剣を脚元に構えた。
赤い球体はドラゴンの口元で熱を帯び、その熱気が僕の肌を焼くように道を示した。
「オラァァアアア!!」
僕はドラゴンを目掛けて一直線に突撃した。それと同時にドラゴンも赤い球体を勢いよく撃ち出す。構えた剣を振り上げ、赤い球体を弾こうとするも、それのもつ勢いは常軌を逸していた。その上、とてつもない熱を帯びている。汗が噴き出すと同時に水蒸気と化し、僕の体力を削っていく。決死で振り抜いた剣は赤く染まり、熱の強さを痛感させられる。
ー吾のファイアボールを弾き返すとは…なかなか…ー
「へっ、あんな強烈なの撃っといてよく言うぜ…」
赤い球体が今度は4発、右に、左に躱しながら前へ進む。進んだ先、上空からドラゴンの尻尾が降ってくる。躱した!そう思ったが、背後からはその衝撃波が襲ってきた。
僕は大きく吹き飛ばされ、叩きつけられた地面は割れている。こんなのまともに食らってちゃ命がいくつあっても足りない…
勝てるのか?舞うように飛び、戯れるように一撃必殺級の攻撃を繰り出す相手に。
考えろ、考えろ。ドラゴンと戦うにはどうする?RPGじゃ魔法か?でも、僕は魔法なんて使えない…相手の攻撃を受け切るだけの鎧も、弱点を読み解く本も、身代わりのローブも…待てよ…?
「おい、お前が魔王なのか?」
ー否。吾は魔王ではないー
マジかよ…こいつより強いってことか?…
どうする?どうする?考えろ考えろ…
まずはあの機動力…翼を落とすか?どうやって?こっちには遠距離攻撃なんてない…
くっそ…こんなんなら仲間集めときゃよかった…奴を落とす方法、落とす方法…あ…
「おいドラゴン!さっきからファイアボールとやらで牽制してから不意をつくだけか?あれ、もしかして…ビビっておいでですかぁ?」
ーなっ!?なんだと貴様…この吾を愚弄するか…いいだろう…貴様のその挑発にのってやる!ー
乗ってきたー!!!
宣言通り、ドラゴンは遠距離攻撃をつかわなくなった。しかし、尻尾から繰り出される強烈な攻撃は続く。チャンスは一回。
横打ち、なぎ払い、そしてー
振り下ろし!!
尻尾を躱す瞬間、尻尾が地面に打ち付けられた一瞬、奴の動きが止まるのはその一瞬のみ!!
爆風に煽られる刹那に、奴の尻尾に剣を!!
ーぬぉぉおおおおお!ー
「いやぁ、空飛んでるってこんな感じに見えるのかぁ」
ー離せ!離れろ!ー
「ニヤリッ」
暴れるドラゴンを尻尾から登る。
しかし、ドラゴンの鱗というのは堅く、簡単に手足を引っ掛けることが出来るという事実をこの時初めて知った。
イモムシの如くニョキニョキ進み、首元まで到達した。
「こりゃいい眺めだなぁ!天気最悪だけど…あ、あそこが初めの森か?結構きたなぁ」
ーくっ!落ちろ!んぬっ!落ちろー!ー
「そんなに暴れるなよ。本当に落ちたらどうするんだ?」
首元から見える景色は、それはもう素晴らしかった。僕が旅を始めたあの街まで、全てが一望できる。
広大な丘、洞窟の岩肌、緑豊かな森、民家の屋根。その全てが懐かしく、愛おしく思えた。
「さて…」
僕はドラゴンの首元に剣を突き立てた。
カンッ
が、弾かれた。
「あれ?」
カンッカンッカンッ
あれれ?さっきは刺さったのに。
しかし、降りるに降りられないからこうするほかない。
カンッカンッカンッカンッカンッカンッ
「お前、なんで効かねーんだよ!!」
ー効いとるわ!!微量ながらも体力削られとるわ!!ー
そのあと何度も何度も繰り返したが一向に刺さらない。
僕もスタミナが切れてきた。僕は大きく、ドラゴンはちょっと息が上がってきた。
「くそっ!くそっ!くそっ!くっそぉぉおおおお!」
その時、僕の剣が光った気がした。
そしてー
ザンッ
「え?」
手応えとしては会心の一撃、的な?でもそれよりも、首が傾き、地面に落ちていくドラゴンの頭の方が衝撃的だった。
なんてことよりも、首からしばらくして落ちていく胴体のほうが問題なんですけどぉぉぉぉお!?
「ちょっと、ちょっとあんた?何してんの?」
聞き覚えのある声だ…これは…チャチャ?…
「お?兄ちゃん、こんな剣どこで手に入れたんだよ!これは紛れもなく光の剣じゃねぇか!」
聞き覚えのある声2だ…
「勇者殿!お気を確かに!勇者殿!!」
聞き覚えのある声3だ…
「お兄さん、大丈夫にゃのにゃ?」
聞き覚えのある声4…
「は!!あれ?僕は…」
「そこで死んでたにゃ」
「は?」
「僕が復活の呪文をかけたんです」
「フェムル…」
「あんた、大丈夫なの?」
「チャチャ…ニャンニャン!マリンさん!」
「な、何なのよ!?いきなり抱きついてこないで!」
「ハハッ、兄ちゃんが困ってるから助けてやってくれって、この猫の嬢ちゃんに言われてな」
「だから…ニャンニャンってニャ前がちゃんとあるにゃ」
この夢の中で出会ったみんなが来てくれた…
僕はそれがどうしようもなく嬉しかった。
空はいつしか、雲が晴れ一筋の光が差していた。
「ほら、行こうぜ!」
「そうですね、行きましょう!」
「ちょ、ちょっと待つにゃー!」
「べ、別にあんたのためじゃないから!」
「みんな…うnー」
ベシッ
強い衝撃が、僕の頭を貫いた。
「ん、んぁ?」
「んぁ?じゃねぇよ!お前会社に何しに来てんだよ!」
目を開いた僕の前には、上司の須藤が立っていた。血の気がひいていく。スーツの質感が、机の匂いが、感覚全てが現実に引き戻されていく。
「あ、はい…すいません…」
周りの嘲笑が聞こえる。
ああ、またいいところで帰ってきてしまったのか。
僕は落胆した。
「いいか?お前みたいなな、馬鹿みたいな夢を見てたクソをうちの会社は雇ってやってんだよ!感謝してしっかり働けグズが!」
「はい…」
そうだった。
僕みたいな中途半端な奴は、何をしたって中の下だ。
夢だ希望だなんて言っても、所詮は現実。つまらないことが最前提。
あぁ、学生時代に戻りたい…ただ妄想に想いを馳せて、漫画で食ってこうなんて考えてたあの頃に…それだけで良かったあの頃に…
ED「春を告げる」yama